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コラム
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みなさんの中にも、自分が言われた側で、中には、部下に対していってしまったという経験をしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「もっと顧客に食らいつけ」とか、「がんばりが足りない」などといった精神論だけで、発破をかけたとしても、営業組織が“本質的に”強くなることはまずありません。
営業組織を“本質的に”強くするためには、論理的・合理的なアプローチでの改善が不可欠だからです。
営業組織の“本質的な”強化に役立つのが、今回お話しする「営業における適切なKPI」の設定です。
正しくKPIの設定方法について、また、そのKPI活かした目標達成のためのプロセスについて解説していきます。
目次
KPIとはKey Performance Indicator(重要業績評価指標)のイニシャルを取った言葉です。
目標に対する達成度を示す指標で、営業セクションだけで使われる指標ではなく、企業経営から製造現場、広くは政策に至るまで、さまざまな場面で活用されています。
営業に当てはめた場合では、目標に「新規契約数」や「売上高」などが設定されることが多いでしょう。
「今月は、新規契約を10件取るために、200件の新規飛び込みをしよう」「来月は、売上100万円アップを達成するために、月の前半に5社へアップセルの提案をしよう」といった形でKPIが定められます。
つまり、KPIは目標を達成するための“現状”と“目標”の中間にあるプロセス指標となります。
KPIを設定することで、最終的に目標を達成するために、いつ、どんな行動を、どれだけの量で実行すればよいのかが明らかになり、営業活動の進捗が把握しやすくなり、未来の予測も根拠をもって立てやすくなります。
また、生産性の向上や効率化のための改善をするために施行する、PDCAも回しやすくできます。
ではどのようなプロセスを経て、KPIを抽出して設定することが望ましいのでしょうか。
みなさんもお分かりとはお思いますが、営業セクションといっても、企業はそれぞれの組織構造を持っています。ですから、自社に合ったKPIの設定は他社の模倣というわけにはいきませんし、当然、組織構造の変化や組織の役割の変更に伴って、柔軟に設定していくことも求められます。
とお話しすると、なんかとても難解な作業のように聞こえてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。ご安心ください。
どこの企業でも“模索する時期”を経て、自社に合ったKPIを設定することはこれから話す「KPI設定のコツ」をつかんでしまえば、誰でもできるようになります。
適切なKPIを設定するために、まず必要なのが“目標の設定”です。
すでにお話をしたように“KPI”はあくまでも、最終目標を達成するための中間指標です。
実は、多くの企業でKPI設定の初期に見られるのが、「KPIの達成」そのものが目的化してしまい、メンバーを含めた組織全体の意識が、KPIを達成することだけに向いてしまい、KPI=目的となってしまう現象です。
これでは、本末転倒ですね。このように俯瞰でお話ししているとその“間違い”が冷静に理解できるのですが…このようなケースはしばしば見うけられます。
このような事態を防ぐためには、あらためて “何のためにKPIを設定するのか” “上位目標としてのKGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標)を設定するのか“ について明確にして、設定をしていきましょう。
一般的に、営業が使用するKPIには、以下のようなものに設定されることが多いです。
・アタック件数(コンタクト数)
・訪問件数(商談数)
・見積書提出件数
・成約件数
・平均受注額
しかし、どの企業にもこれらのKPIが当てはまるかと言えば、そうではありません。
適切な営業のKPIが何なのかは、企業・組織・営業の活動ごとに異なります。
では、目標とするKPIを何にすればよいのか?ということになりますが、
他社例を模倣するのではなく、自社にとって最適なKPIは何かを組織全体で考え抜くことが大切です。
この先の話で、実際のKPI設定のステップを解説していきます。
営業プロセスを分析する。その上で、KGIとの連携を持ったKPIの設定ステップとはどのようなものなのでしょうか。
当然のことですが、営業を行う個人がその営業活動によってコントロールできない変化をしない指標を、KPIに設定しても意味はありません。
たとえば、極端な例ですが、リード獲得における「インバウンドでのLEAD-GEN」の施策を、他の部門が行っている状況で、インバウンドの対応件数を営業セクションのKPIに置くという具合です。
営業の個人がコントロールできない指標をKPIとした場合、達成した際も未達成であった際もそもそも、営業がその活動の中でKPIに対して変化を起こせないので、要因を分析することも、当然、改善を行うことも出来ません。
KPIを、人事評価の主軸に据えて活用しているケースもあるようですが、KPIのみを使用した人事制度はその運用の仕方を誤ると、かえって評価される側のモチベーションを低下させることにもつながります。
ですので、KPIだけではなく“定性的な指標”や組織の中でKGIとは直接的に相関性のあまりない業務であっても、間接的に組織の底上げを行うことができる業務や、顧客との関係性が強くなる業務、直近ではなく中期的な視野で効果の高い業務についても考慮した、正当な評価ができるバランスの取れた仕組みの中に、組み入れることが大切です。
KPIとして、たとえば「顧客の感触」というような定量的で数値での可視化や計測が難しいものは、営業個人のそれぞれの感覚によって、評価や採点ががブレる可能性が高くなります。
このような指標は、KPIとしてふさわしくありません。
たとえば、「もうひと押しで発注してくれそうだから>>A」といったような、営業個人の主観によって内容が変わるものは避けてください。
正確な計測が難しくなるだけでなく、状況をよく見せるために湾曲した成果として記録されてしまうといった懸念もでてきます。
KPIは一度設定しておわりというものではなく、自社の目的を達成するための指標として、結果を受けて調整を行い、時には、自社の状況のみならず、顧客やマーケットといった「外部要因」によっても、その指標の位置や指標そのもの、また、レベルを調整していく必要があります。
また、適切なKPIが設定できても、それを活かした改善施策をうつことができてなければ、KPI設定の効果を十分に享受しているとはいえないでしょう。
KPIを設定したことに満足すのではなく、それを活かしてどのようなプロセスで改善を実行していくのか事前にイメージしておきましょう。
ここで役立つのが、“振り返りの場の設定”です。
振り返りの場を予定しておけば、せっかく設定したKPIが放置されてしまうことを防ぐことができます。
KPIが存在していても、きちんと記録されていなければ、正確な数値を把握できません。
きちんと記録されていないデータを分析しても、当然、正しい打ち手は導き出せません。
営業担当者は、原則として自分の成績に直結すること以外には、なるべく時間をかけたくないものです。
ですので、営業が入力作業を嫌がらないような、入力しやすい・必要最小限のシンプルな項目でKPIを設定し、環境を整えるのもKPIを活用するポイントになります。
SFAツールを導入するなどして、スケジュール管理や商談進捗の備忘などの一環として自然にKPIに当たる項目を入力できるようにしておくのも効率的です。
また、モバイルからの入力に対応しているCloudベースのツールを選べば、移動時間やちょっとした待ち時間といったスキマ時間の活用も可能です。
適切なKPIを元にPDCAを回せば、効率的に営業組織の改善が実現できます。もし、現在営業KPIを設定していない、もしくは、設定している内容に違和感がある場合には、これまでお話をさせていただいた内容を参考にKPIを考えてみてはいかがでしょうか。
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