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ルート営業のKPIとは? 売上目標達成のために追うべき3つのKPI

ルート営業のKPIとは? 売上目標達成のために追うべき3つのKPI

新規訪問営業とルート営業・ ルートセールスでは営業のスタイルが異なるため、 同じような目標を設定してもトラッキングしても、 なかなか成果につながらず、 時にはKPIを追うこと自体に意味を感じられなくなることも少なくありません。

新規訪問営業ではよく訪問者数がKPIにあげられますが、 顧客数の決まっているルートセールスで同じ目標を設定しても、「 用もないに何度も訪問してくる迷惑な営業担当者」 が生まれてしまうだけです。 本記事では、 ルート営業の特性を踏まえて、 どういったKPIを設定するのが適切なのかを解説します。

まず、 ルート営業におけるKPIにはどのようなものがあるでしょうか。 既にKPIの指標を設定されている皆さんは是非ご自身の会社で設定されているKPIと見比べてみてください。 まだ、 これからKPIを設定する皆さんは、 これから自分たちの環境に合うKPIを見つけるための参考にしてみてください。

 

〈ルートセールスのKPI例〉

指標 内容 単位1 単位2
コンタクト 見込み客を含めた直接接触
商談 受注に向けた打ち合わせ
解約(離脱) 他社への乗り換えや利用停止などの離脱
利用期間 初回からどのくらいの期間利用しているか 期間
利用単価 月度/年度での取引額
利用金額 初回から現在までの利用額はいくらか(LTV)
追加損益 初回取引からみた、月度利用単価の変化

 

また、 既にルート営業におけるKPIを使った運用を進めていて、 経営指標と連動して予測に活用しているクラスになると、 さらに細分化したKPIを使用しているケースが見られます。 一例をあげると下記のような感じです。

 

〈ルートセールスのKPI> 細分化例〉

指標 内容 単位1 単位2 単位3
商談 受注に向けた打ち合わせ

初回商談 自社製品・サービスの説明、理解と興味喚起 期間
ニーズ商談 対象のニーズの顕在化と把握 期間
キーマン商談 決済権を持つ人物との折衝機会 期間
提案商談 具体的な金額や導入前後のフローなどの提示 期間
成約商談 受注処理 期間

 

それでは、 本題に入ります。 ここからは、 KPIについて、 またその活用や運用について解説していきます。

KPIを正しく設定するための事前知識

・メディア(媒体)などで使われている汎用的な数値を、自社の構造を加味せずに使用してしまう。

初期段階では、どうしても不慣れな部分や心配が先に立ってしまい、“論拠”に乏しい数値をそのまま計画に導入してしまいがちです。メディアなどで掲載されている数値はショット(ある期間のみを抜粋したその時点のみの計測値)ですし、メディア側もその数値のバックグラウンドや取材対象企業や組織の構造をすべて理解しているわけではないですよね。ですから、KPIを設定する前提として、まず自社・自分の所属する組織について、その構造を達成したい目的からさかのぼって理解しておく必要があります。

この理解は、実際にKPI で運用を始めた後でも、KPIの調整や指標自体の変更をする際にも、とても役に立ちます。

・憶測や感覚をできるだけ排除した、定量的な情報から設定する。

KPIの全体から見た指標のPOSITION(位置)や、その指標の細かさ(粒度)、また、数について考えていくことになりますが、その対応だけでも初期の設定では多くのリソースと労力がかかるものです。設計を終えた段階で実際にそのKPI目標値を設定していくことになりますが、この段階になると多くの方は“疲労感”が色濃くなるのではないかと思います。が、しかし、実はここでもうひと踏ん張りして、より定量的な自社の・対象となる自分の組織の過去データなど、活用できる保有するデータをもとに、KPIの目標値を設定するべきです。

その労力は、必ずKPIを実装した後の運用の時に報われることになります。KPIを設定した後メンバーはその目標とする値を達成するために、さまざまな改善と新しい取り組みへの挑戦を行い挑んでいくことでしょう。その目標が論拠に乏しい、県検知などから抽出されていたとすると達成することができないばかりか、そもそもKPIの運用自体の必要性すら疑わしく感じるようになるのではないでしょうか。

ですから、KPIの目標設定は非常に重要なタスクであるといえるのです。

KPIとは

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、「重要業績評価指標」を意味しています。事業目標の達成に必要となる具体化されたプロセスの実行状況を数値的に測る役割があり、経営において重要な指標です。

KPIは主に、量・質・時間・コスト・進捗率などで構成されおり、結果を期間で区切って(年次、月次、週次、日次)で計測できる目標が設定されます。また、設定されたKPIは、社内や部署間で「見える化」されており、目標と現状を共有するための共通の指標として使用され、対策案や改善案を作成していく中で使用されることが多いです。

KPIを設定するメリットとしては、定量的な客観的視点で作成され、明確な評価基準とすることができ、バイアスの少ない評価が可能になります。また、共通の指標が用いられることで、個人ごとに設定された目標に対し、迷いなく進捗することが可能です。

ルート営業・ルートセールスに適切なKPIの例

KPIは共通の評価指標が用いられるため、営業組織全体でどの人に対応できる万能な指標ではありません。当然、新規訪問を中心とする営業と、ルート営業では、同じ営業職でありながら、その業務内容や営業スタイルが異なるように、KPIも異なった指標を使用することになります。

ルート営業の特性を踏まえた適切なKPIを設定することが必要になります。次の章では、実際にどのような項目で、どのようなKPIを設定するのが適当なのかについて、具体的に解説していきます。

適切な訪問頻度で訪問数を設定する

KPIの指標の1つに「訪問数」があります。ルート営業が担当する取引先は、全て状況が異なるため、適切な訪問頻度を踏まえて、それぞれの取引先に適切な訪問数を、KPIとして設定することが大切です。

例えば、長年顧客としての関係性があり売上の大きい重要取引先と、それほど大きな売上ではない取引先の訪問数は当然、同じということは適切でないでしょう。仮に現在は小さな売上であっても、成長性の高い市場に属している製品を開発していて、企業の成長も約束されているなどの特別な理由がない限りは、おのずから、売上の大きな顧客への訪問頻度を高くするべきです。

「重要取引先は月に10件の訪問数が必要だが、一般取引先は月に5回の訪問数で充分」というように取引先に応じて、訪問数を変える必要があります。

そして地域性も考慮しなければいけません。遠隔地の重要取引先を多く担当しているルート営業は、どうしても訪問回数が少なくなるでしょう。

また、ルート営業それぞれの取引先も異なります。重要取引先を多く担当しているベテランのルート営業と、一般取引先を多く担当している新人のルート営業では、訪問数に偏りが生じるものです。

同じルート営業でも、訪問頻度は大きく異なります。そのため、PDCAによる情報取得による定量的なデータを解析しながら、適切な訪問回数をKPIに設定することが大事です。

アップセル、クロスセルの追加提案数や見積書の送付数

ルート営業に適切なKPIの指標の1つとして、 「アップセルやクロスセルの追加提案数や、見積書の送付数」があります。定期訪問がメイン業務のルート営業として、既存の売上を伸ばすことは重要な任務です。

決まった取引先から、同じ商品の注文が多いため、売上を増加させることは難しいと考えてしまいがちですが、アップセルやクロスセルの提案を行うことはできます。そして、提案と同じタイミングか、後のタイミングで必要になるのが見積書です。

KPIで評価する際は、アップセルやクロスセルの追加提案数や見積書の送付数を、ルート営業からの申告数で判断していきます。 「どのくらい提案したのか」「提案した結果、見積書を依頼されたのか」という営業に取り組む姿勢やスキルを判断する1つの指標です。

通常ルート営業の場合、売上金額は極端に大きな変動はありません。そのため、アップセルやクロスセルの提案が成功した際は、ルート営業の売上金額の変化がわかりやすいことから、KPIの評価指標に設定するべき項目です。

これらの数値を、KPIとして設定することで、もし提案数が多いわりに、売上金額が上がってこないといった場合は、早めにその異常値に気付くことが可能になり対策を立てることができます。また逆に、提案数が少なければ、その原因を追究し改善していくこともできます。

契約更新率、継続発注率

ルート営業の重要なKPIの指標の1つとして「契約更新率と継続発注率」があります。ルート営業が担当している取引先の契約が更新されているか、また、継続して発注が来ているか、という指標です。

精力的に定期訪問や営業活動をしているルート営業は、問題無く取引先は契約を更新してくれるでしょう。しかし、何かしらの問題や原因があれば、契約を更新してくれない可能性が高くなります。

ルート営業の担当者が問題なのか、もしくは取引先の経営的な問題なのかを判断するためにも契約更新率はKPIの重要な指標です。事業目標の達成可否に関わることであるため、早期に対策を講じる必要があります。

同様に、継続的に発注が来ていない取引先もKPIの指標で判断をする対象になります。もし、継続的な発注が来ていないのであれば、その原因を明確にして対策をすることにより、以前のように継続的な発注が来るように改善を行います。

契約更新率も継続発注率も、事業目標の達成のために、重要なKPIの指標であり、ルート営業の評価を正確なものにするために必要な項目です。

KPI設定・運用で、失敗しないための3つのコツ

・KPIとKGIの結びつけて考える

これは、もうお分かりですね。KGI(Key Goal Indicator)を達成するためのKPIであることは、言うまでもなく本質的に重要な部分となります。しかし、これが一旦現場に入ってしまうと、目の前にある局所的な課題や短期的な目標にとらわれてしまい、本来のKGIに結びつくKPIとは異なる指標を設定してしまうケースが多くみられます。

例えば、本来訪問活動の活動量をはかるため、「有効な商談数」を設定するべき指標に、「訪問時間」を設定してしまうといったケースです。これでは当然活動量をはかることはできません。一般的に「訪問時間」に紐付いている検証するべき要素は、“質”という側面の要素になり、その商談の有益性・効率性をはかるための指標として使用されることが一般的です。

上述の内容からも、短絡的な思考からKPIを設定するのではなく、組織として、本来の達成目的であるKGIから全体像を見据えたKPI設定をしていくこと、これがKPI設定を成功させる大きな要素であることが、お分かりになると思います。

・KPIを用いた「改善」について、メンバーに浸透させる

KPIを設定できたとして、そのKPIを達成するために、多くのスタッフが多くのリソースを割き、進めていくことになります。部門や組織全体で指標として設定したKPIは、当然その関係するメンバーすべてが同様の認識をもって初めて実行が可能になり、結果がついてきます。

メンバーのうち、少数であっても違和感を覚え、そのための行動に賛同しないとなればうまくいきません。

よって、KPIを設定する立場にあり、その実行にも係る立場であれば、メンバーが納得し共感できるまで何度も繰り返し、その施策の効果や予測、そして達成するべきKGIやその指標となるKPIについて伝えていくことがとても重要です。

これらのKGIやKPIを活用した施策設定は、近年採用する企業が増えてきた、まだ、どちらかというと新しい“考え方”です。よって、初めのうちは、メンバーからある程度の抵抗があることも、覚悟して根気強くその効果や狙いを伝え続けることが必要です。

・KPIを達成するための具体策を明確にする

KPIの設定やメンバー内での共有・認識ができたとしても、いざ、実行する段階になって、何をしたらよいのか、モチベーションあるメンバーが戸惑うようなことは絶対に避けたいものです。

施策実行を管理する立場としてもなれない状況だと思いますが、メンバーにとっては大きな決心をしてその活動に参加してきています。具体的にどのような業務でどのような改善をして、どのような改善値をいつまでに達成していくのかについて、明確にしておくことがとても重要です。

できるだけ、初めのうちは少しの変化で少ない工数で大きな改善が見込めるものを中心に、慣れている業務や施策に適用するように心がけましょう。こうすることで、メンバーの身体的・精神的な負担も少しは軽減されますし、スモールスタートをすることでメンバーが早期に達成感を得られる機会も増えるでしょう。万が一、その施策がうまく運用できず結果に結びつかないようなCaseであっても、短期間での施策自体の変更や停止も可能です。

ΞcolumnΞ 計測可能な指標を使って、KPIを活用しよう!
PDCAを回せるKPIの指標について

まず、第一にKPIの指標は定量的なものであることが、大前提です。定量的にする意味は、その指標の評価を絶対的視点で判断できるということにあります。例えば、「積極的なContactを行い、より有利な条件を引き出す」とか、「〇時間で可能な限り、多くのメールアプローチを行う」などが該当します。一見間違いないように思いますが、定量的な指標が抜けているために、その時の営業パーソンごとのモチベーションなどにより影響を受け、個人差が生じてしまいます。これでは、その業務自体の良し悪しがわからないばかりか、何を改善すればよいのかなど、具体的なアクションに落としこむことができません。

ですから、「1日5件のContactを行い、提案ステージの商談を週2件新設する」とか、「2時間で、現状の既存顧客へアップセル資料を40通送信して、反応のあった顧客にフォローコールを5件かける」など、「目的」「対象」「アクション」「作業量」を明確にします。

また、この指標は上位のKPIとの連動制(上位のKPIを向上させるための指標)を持たせることも、忘れずに設定していきます。そして、多くの指標では「量をはかる指標」と「質をはかる指標」の設定が可能です。よく議論になる争点ですが、一般的に「量」の改善を行い、一定の活動量の担保ができた状況で、「質」の改善をおこなうほうがうまくいきます。これは、人間が持つ“仕事をする上でのリズム”にも関係します。なれないKPIマネジメントを導入する中で、いきなり質の改善を行うのではなく、量の担保を実行して、その作業量での計測値や経験値を一定量得たのちに、質の改善に入ったほうが質の改善もスムーズだからです。是非、皆さんの会社でも取り組んでみてはいかがでしょうか。

おわりに

KPIは、重要業績評価指標を表し、事業目標の達成に必要となる重要な指標です。共通の指標が用いられるため、客観的な評価ができるメリットがある反面、訪問営業とルート営業のように、業務スタイルが異なる場合は、正確な評価ができません。

そのため、ルート営業に適切なKPIを設定することにより、公平な評価をすることが可能です。KPIに訪問数を設定する場合は、適切な訪問頻度を加味しなければいけません。また、ルート営業の活動の成果を分かりやすくするために、アップセルやクロスセルの提案数や見積書の送付数、契約更新率、継続発注率と言った指標項目は、ぜひ取り入れてほしい項目です。

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