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コラム
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ルートセールスを担当する営業パーソンの目的は、顧客をフォローすることによって、継続的な購入による売上維持・拡大をねらっていくこと。定期的に顧客を訪問し適切なタイミングで質の高い提案ができれば自然と売上もついてくるでしょう。1回の受注金額を上げることができれば、さらなる売上拡大も見込めます。ですが実際には、強引な値引き交渉に太刀打ちできないケースや、提案の幅が広げられず少額取引に時間を割いてしまうケースも多いようです。
そこで今回は、ルートセールス/訪問営業の「受注単価(客単価)を引き上げる方法」についてご紹介します。
商談における受注単価(客単価)を決めるのは、「お客様が持つニーズの大きさ」と「購買によって得られる利益の大きさ」です。ここでいう大きさとは、全般的な程度や範囲のことを指します。(もちろん、受注単価(客単価)には「信頼度」も大きく関わってきますが、ここでは一旦置いておきます。)
一般的に、お客様が持つニーズが大きければ大きいほど、また購買によって得られる利益が大きければ大きいほど、受注単価(客単価)は高くなります。
しかし、「ニーズはお客様がもともと持っているものだし、売る商品が同じなら、得られる利益も同じだし…」なんて思ってしまってはいないでしょうか。
いいえ。実は、営業のヒアリングや提案の仕方次第で、お客様のニーズや利益の大きさは変わるのです。
「ニーズの大きさ」に気づかせる
受注単価(客単価)を引き上げるためには、まずは「ニーズの大きさ」をお客様に気づかせることが大切です。
商談の際、お客様はまず”お客様が考えるニーズ”を提示します。しかし、受注単価(客単価)の引き上げにつなげるためには、ここですぐに提案を返してはいけません。
なぜなら、ここで出てくる最初のニーズは、「お客様が本当に持っている、より大きなニーズ」と必ずしも一致しないことがあるからです。
たとえば、「交通費の精算をラクにしたい」というお客様がいたとしましょう。
ここで交通費精算システムを提案するのは、ただお客様の要望を実現するだけです。それでは受注単価(客単価)の引き上げには至りません。
ポイントは、最初に提示されたニーズに対して、「なぜ」「何のために」「将来的にどうしたいのか」を問いかけてみることです。
そこで「交通費精算をはじめ、複数の人事系のシステムがあり、管理に困っている」など、より大きなニーズが出てきたら、それが単価引き上げのチャンス!
交通費精算だけでなく、人事系の業務を一本化するようなシステムを提案してみるなど、大きな提案につなげていくことができます。
このように、”お客様が考えるニーズ”の背景や理由、将来的に実現したい姿を聞くことで、お客様自身も気づいていないような、より大きなニーズを見つけだすことができ、受注単価(客単価)引き上げの機会が生まれます。
まずはお客様が提示するニーズに対して、「なぜ」「何のために」「将来的にどうしたいのか」を問いかけ、お客様自身に本当のニーズの大きさを認識してもらいましょう。商談の前、日々の訪問時からでも情報を集めておけば、お客様のニーズをより正確に予想し、準備した上で商談に臨むことができます。
また、営業側がこうしたニーズを丁寧にヒアリングすることで、お客様に「分かってくれる」という信頼感を持ってもらうことにもつながります。
前半では、受注単価(客単価)を引き上げるには「お客様が持つニーズの大きさ」と「購買によって得られる利益の大きさ」がポイントである、というお話をしました。
ここでは、「購買によって得られる利益の大きさ」について見ていきます。
値引きするセールスマン、値引きしないセールスマン
世の中には、たとえ同じ商品を売っていても、大きな受注を取ってくる営業マンもいれば、お客様に言われて値引きばかりしている営業マンもいます。この違いこそ、「購買によって得られる利益の大きさ」にあります。
なぜなら、お客様に値引きを求められる=金額に見合う利益を得られると感じてもらえていないということだからです。
人がものを購入する時は、松竹梅の法則(3種類の価格帯があると、真ん中を選ぶ人が多いという法則)のように、金額の高い低いだけを判断基準にするわけではありません。払った値段に見合う価値があるかどうか、つまり費用対効果・コストパフォーマンスを重視するものです。
ですから、値引きばかりで受注単価(客単価)が上がらない場合には、「購買によって得られる利益の大きさ」を伝えられているかを見直していきましょう。
お客様目線で利益を提示
「購買によって得られる利益の大きさ」をお客様に伝える際は、2つのポイントに注意して利益を提示します。
まず1つめは、「お客様にとっての利益」を示すこと。前回の「ニーズの大きさに気づかせる」でもお話ししましたが、ただ「この商品はおすすめです」というのと、お客様が本当に求めているニーズをふまえて、それを解決するものとして商品を提案するのとでは大違いです。いくら性能がよくても、たくさんの人に使われていても、そのお客様にとってメリットがなければ、買ってもらうことはできません。
あくまでも、そのお客様にとって何が利益になるのかを伝えてください。このとき、その利益を得たお客様の未来の姿を描いてみせると、より伝わりやすくなります。
2つめは、「付加価値」を示すこと。普段であれば高くて買わない物でも、「大好きな○○さんがデザインしたなら買うだけの価値がある!」と購入する人がいますが、それと同じです。
お客様がメリットや付加価値と思うような要素があれば、余さず提示しましょう。
ヒアリングが大事と言われるワケ
ただ、このように、「購買によって得られる利益の大きさ」をお客様に的確に提案するには、お客様が何をメリットと感じるのかを知っておかなければなりません。営業においてヒアリングが大切と言われる所以はここにあるのです。
日頃からの情報収集はもちろん、成約してくれたお客様に、なぜ自分の商品を選んでくれたのかをヒアリングしてみたり、チームのメンバーに知恵を借りると、良いヒントが見つかるかもしれません。
「ニーズの大きさ」と「得られる利益の大きさ」は、釣り合いがあまりにも取れないと、受注に至りません。得られる利益がニーズを十分に満たせなければ、お客様は他社を選びますし、過分な提案で単価を引き上げようとすれば、お客様からの信頼を失うからです。
「ニーズの大きさ」に気づかせるヒアリング力と「利益の大きさ」を伝える提案力をバランスよく身につけ、受注単価(客単価)をアップさせましょう!
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