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コラム
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企業には、ほとんど例外なく、新人が入ってきます。これは営業部門も例外ではありません。みなさんの会社では、どのような教育制度をとっていますか?
「新規に採用した営業の成績がなかなか上がらない」「毎回同行を依頼してきている。独り立ちがなかなかできない」といった悩みを抱えてはいませんか?
新人営業の教育は、組織を拡大しはじめたばかりの時に発生しがちな問題です。
新人営業の教育につまずくことで、営業組織全体に影響が及ぶことがあります。
せっかく、あたらしいマーケットを見出し、組織を成長させて企業としても成長できる機会であるのに、水を差してしまうことにもなりかねません。
どのようにすればスムーズで的確な教育ができ、新人を新戦力に成長させることができるのでしょうか。その営業の教育について、いくつかのポイントを解説します。
目次
「教育が上手くいかない」と悩んでいる組織で、どんな取り組みを行っているのかについて、いくつかの企業のケースで確認すると、OJT(On-The-Job Training)の手法をとり、ベテランや中堅営業の活動に同行をさせているというケースが多いようです。
しかし、OJTだけで本当に教育は十分なのでしょうか。
OJTは、営業現場で実際の雰囲気をつかみやすいというメリットがあります。
一方で、商談の各ステップを垣間見る程度の経験ですので、身につくスキルが断片的になりがちです。
断片的な知識のみを積み重ねても、残念ながら、営業プロセスを俯瞰してみることや、顧客との対話がどのポイントを通じて、1段階上のフェーズに至ったかなど、重要なポイントについては学びづらい面もあります。
また、教育の“質”がOJTで同行する営業パーソンのレベルやスキルに、左右されてしまうという点もデメリットです。
とはいえ、OJTを担当するベテランや中堅営業の教育スキルを上げるということは、さらに難しく、また、時間もかかります。当然、これらの業務や部門をまとめる立場にいるmanagerの負担は、とても大きくなります。
そもそも、「人に何かを教える」ということ自体が、簡単ではありません。
このように、OJTに頼った営業教育をすることは新人の営業マンを成長させるという目的においては、完全ではありません。OJTとその他の研修等を組み合わせて、はじめて偏りなく教育が施すことができるようになります。
まずは、自分がこれから営業する“商材”として、取り扱う製品・サービスについての「商品知識」を身に着けてもらうことです。
既に、営業をされているみなさんにとっては、当たり前のことをと思われるかもしれません。しかし、実際の現場にこれを置き換えた際、商品カタログや操作マニュアルを渡して「読んでおいてね」と、簡単に済ませてしまってはいないでしょうか。
これでは、商品の優位性や他社製品・サービスとの差別性など、それまで多くの自社営業パーソンが蓄積してきたノウハウは全く受け継がれないまま、無機質な営業をすることになってしまいます。
できる限り、時間をかけて、時には実践に近い環境を社内に構築するロープレなどを、取り入れることも有効でしょう。
商品の知識を習得してももらったら、どの程度、実戦で活用できるレベルで身についているかを確認していきます。
口頭で質問をして、回答してもらうというやり方では、網羅的にチェックをすることが難しいため、ペーパー式の簡単なテストを用意して、実施するとよいと思います。
自社の営業担当者として、十分な知識が身についたことが確認できるまで、モチベーションを下げないように工夫しながら、伴奏型のサポートを行い、習得してもらう努力も必要です。
人は、知らないことが解決されないままの状態に置かれると、不安や焦りを感じる状況に陥りやすくなります。
ですから、一番はじめに商品知識を会得してもらうことで、少なくとも商品知識に対する不安は払しょくでき、顧客から製品・サービスについて質問が出た際にも、慌てずに自信を持って返答ができるようになるでしょう。
極々、基本的なことですが、実はこれを徹底するだけで営業としてのレベルは数段アップします。
次は、基本となる「営業トークスクリプト」を身に着けてもらいます。
もし、新人の営業パーソンが複数いるケースなら、二人一組でチームを組んでもらい、営業役と顧客役を交代しながら、お互いでそれぞれの立場を経験してもらい、その中で感じた感想を述べてもらう、このような練習を企画することも需要です。
もし、一名しかいない場合は、なるべく教育担当者が顧客役を、ベテランや中堅営業が引き受けて、その練習に付き合うようにしてください。
相手役がいる方が記憶しやすくなりますし、身振り手振り、声の抑揚なども自然につけて練習できるようになります。
このとき、重要なポイントがあります。
留意すべきポイントは可能な限りアレンジを加えず、基本のトークスクリプトを間違いなく最後まで話せるようになるまで練習してもらうことです。
「守破離」という言葉がありますが、自分自身の創意工夫を加えて話すのは、基本となるスクリプトが完全に身についた後で十分です。
営業トークスクリプトが完全に身につけられたら、営業ロープレで本番の商談の予行演習を実行してもらいましょう。
練習だとは言っても、真剣にやらなければ効果は半減します。本番の商談をしているつもりになって、照れや恥ずかしさを我慢して取り組んでもらうように、また、そのための空気つくりも大切です。
ロープレの顧客役には教育担当者や営業担当者を配置することが望ましいです。
新人に顧客役を任せてしまうと、現場を知らないためにリアリティ(臨場感)が不足してしまいます。その点、ベテランや中堅の営業担当者は顧客との商談の場を知り尽くしているので、リアルある場面が作れ、いろいろなタイプの顧客役を演じることもできるはずです。
このロープレには、練習の他に成功体験を積ませて自信をつけさせるという狙いもあります。合格点のロープレができた場合は発注をして、本番の商談で成約を取ってきたかのように褒めてあげてください!
これまでの3つが完了していれば、商品や業務に対して一通りの理解ができているはずです。その状態で営業同行(OJT)をさせれば、商談の内容や意図をきちんと理解できるでしょう。繰り返しになりますが、基本知識を身に着けてもらうことにより、いきなりOJTで営業同行をさせた場合に比べ、遥かに短い時間・回数で多くの学びを得てもらうことができます。
営業同行を何回か実施したら、頃合いを見て商談のリードを新人に任せるようにしてください。
危なげなく商談を進められるようになったら営業同行はひとまず卒業です。ここまでやれば、そう長い期間を待たずに一人前の営業に成長してくれるでしょう。
人の能力は、教育方法によって大きく左右されます。
大切な新人の本来のポテンシャルを一日も早く引き出せるよう、この機会に営業教育方法の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
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